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七分組み?



今回は、自転車のことをあまり知らない人に読んでもらいたいです。

最近自転車を通販で購入する人が増えています。
うちにも時々修理の依頼がありますが、買って一年もたっていないのに、あちこちガッタガタで直しようのない状態のものが多いです。
 これは販売する側の問題が大きいですが、購入する側ももう少し勉強が必要だと思ますので、この記事を書きます。

自転車の専門用語、かどうかはわかりませんが、「七分組み」という言葉があります。
一般の方にはなじみのない言葉だと思いますが、
「自転車を整備できる」自転車販売店なら知っている、業界用語です。
文字通り、「7割組み立てられた」という意味ですが、
これは、箱に入った自転車、
メーカーや問屋から送られてくる自転車の状態を差した言葉です。
(九分組みという状態もあります。)

さて、ここからが重要です。
この「7割」という数字が何を意味するか。
箱入りの自転車は、ハンドル、サドル、ペダル、など外された状態で入っています。
そのため、「7割のパーツが組付けられているから『七分組み』」
と考えがちですが、それは大きな間違いです。
もしそうであれば、残りの3割をしっかりと組付ければ問題ないですが、
そんな簡単な問題ではありません。
私の経験から考える「七分組み」は、こうです。

「すべてのパーツ、全てのネジが、7割程度の完成度でついているだけ」

ですから、自転車を「ちゃんと」乗れる状態にするには、
箱から出して、すべてのネジを増し締めし、全てのパーツを調整し直す必要があります。
さらに、ロードバイクなどのシビアな調整を必要とするものであれば、
一度部品を外して組み直すなどの作業も入ってきます。
また、ちゃんとした自転車屋ならお客様に渡す前に、
ある程度サドルの高さやハンドルの高さ、角度など、
その人が使いやすいように組み付けてお渡ししているはずです。
2万円のシティサイクルだろうが、50万円のロードバイクだろうが、。
それこそが「自転車屋」の仕事の本質だし、存在意義だと思います。
「自転車を仕入れて売っているだけ」ではないんですよ。

最近はネット通販で自転車を買う人が増えています。
もちろん安いからという理由でしょうが、
購入するなら、

「自転車を0から組み立てられるくらいになってから」

にしてください。
通販サイトにも必ず、
「購入後、自転車整備店で組付け、整備を依頼してください」
と小さく書いているはずです。
たかが自転車と甘く見ていると、
あなたの命まで七分になってしまいますよ。

まとめ
・通販サイトで購入するなら、自分で完全に組付け整備ができるようになってから。
 もしくは、「完全組付け済み」で販売している通販サイトで購入すること。
 (それでもイザというときの保証や「持ち込み修理」してもらえるお店が近くにあるかなど調べること)
・実店舗で購入する際は、「自転車整備ができる」お店で
 パンク修理もできない店が、箱から出した後、組付け整備しているとは思えない。
 心配なら「箱から出した後、お客様に渡すまでに、どのような作業をしているか」
聞いてみる。
・自分の身は自分で守る。

6月の予定


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